カテゴリー : 2015年 11月6日

Passion

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『あす、高橋社長、田中さんいらっしゃいますか』突然のメールに驚き、「その日、PICK & BarnSスタッフは全員おります。お逢い出来ますことを愉しみに。」とすぐに返信。

諸々の予定が重なるも、来店されたのは約束通りの木曜夜。悔やまれるのはBarnSスタッフ須田が、訪問時間に間に合わなかったこと。

とは言うものの、私は未だ彼の作る展示会に伺えたことはありません。 面と向かって話せるのは、いつも別の展示会上でしたから。まさかお店に来てくれるだなんて。

『昔買ったもので、いまも着てる服は何ですか?』と、唐突に彼が私たちに問いかけます。

オーナーはSt.Jamesのウエッソン
藁谷はPadmore & Barnes のモンクストラップ
田中はといえば、高校時代PICKで購入したCONVERS 迷彩柄のキャンバスOX。

と、そのどれもが15年以上のときを経たものばかり。

「小森さんは、何ですか?」と尋ねます。
『僕はロンドン旅行のときに買った、Gurnsey SweaterのNavyです。』

皆が答えた服は、すべてインポートものでした。それぞれの思い入れを交え、服の話で夢中になります。大学の講義を終え駆けつけたスタッフ中里も、食い入るように話を聞き逃さない様子。

『訪れたサンフランシスコで見た、HEATH CERAMICS(ヒース・セラミックス)には、感動しました。天高や、照りつける陽射し、そしてあの解放感。ものがつくられた、その土地に行くこと。制作現場に立ちあえること。これまでもヒースはPLAYMOUNTAINなどで見てたけれど、やはりものが生まれる現場へ行くことは格別です。見え方も変わります。』と小森さん。

全くもって同感です。ものそれ自体が生まれた原産国を大切にすること。多少の野暮ったさがあるからこそ、いとおしくなる。それがインポートものの醍醐味。作り手である小森さんが以前、私に送ってくださったメール。その一文をご紹介します。

– ただでさえ物があふれている今の時代に、わざわざ物を作る以上、その”本物”を目指して作ることは作り手側の最低限の使命だとも考えております。ただの物真似ではなく、作る人が着る人を明確に思い浮かべながら、そして純粋に日々感じる事を”かたち”にする作業で生まれたデザインには無駄がなく、”本物”になるべく可能性を秘めた物になると信じています。-

多くのジャズプレイヤーに現役最高の煌きがあるように、デザイナーである作り手や、私たちにもそれがあります。ギラギラとほとばしるエネルギーが否応なく滲み出るとき、そしてその”もの”に出逢う瞬間が。

『昔買ったもので、いまも着てる服は何ですか?』

その問いには、もうひとつ聞きたいことが内包されているようでした。それぞれが当時体験した「衝撃ある”もの”との出逢い」それを越える事態が、今後その身に起きるのか?あのときの感動を超える”もの”を生み出せるのか?

触ったり、目で見て参考にするのは過去に生まれた”もの”から。ヴィンテージや古着に着想を得ることは、数多くあります。しかしながら、私たちが生きているのは、いまこのとき。時代の気分を抱えながら、「何を生み出していくのか。」それは、作り手にもお店にも言えることでしょう。

“本物”になるべく可能性を秘めた物。
『昔買ったもので、いまも着てる服は何ですか?』そのものになり得る「COMOLI」の洋服を、どうぞ店頭で味わってください。袖を通してください。

作り手を囲み、ともに飲む夜。
いくらだって話していたい、そんな木曜の夜でした。

saKae