カテゴリー : 2017年 12月15日

滞在2日目


滞在二日目、泊めてくれた友人夫妻が「散歩がてら、あさごはん食べよう。」とルヴァンへ連れ出してくれた。歩いて10分ほどで富ヶ谷だなんて、羨ましい。扉を開けると、スタッフ皆で賄い中。「奥どうぞー。」語りかけるスタッフの何気ない気配りは、友人がこの店の馴染みだからだろう。友だちがするように自然だ。笑顔が、スープがパンが沁みる。




国立新美術館で開催中の安藤忠雄展 – 挑戦 – を観に。会場は人でごった返し、開館から10周年を迎えた記念展示は模型と写真の美しさ、安藤さん直筆のデッサンと設計図も相まってかなりのボリューム。1ミリも進まないほどの大混雑だ。展での圧巻は、やはり「光の教会」。原寸大そのままの建築が中庭にずずんとある。迫力と静謐な美しい佇まいにしばし圧倒される。展を進めばドーム状に再現した直島がでんと。その中で上映されるフィルムの空からの俯瞰は絶景かな。10年ほど前に訪れた地中美術館。そのときはタレルのスケール感と展示方法も含めたモネばかりに目がいく体たらく。しかし、直島と地続きのように姿を覆い隠す地中美術館の、ただただ光だけは感じていた。

展の中での安藤さんの言葉をひとつ。
Section 6 –
植物も建築も、放っておいたらダメになってしまうところは一緒です。いつも気にかけて水をやったり、メンテナンスをしたり、大切に見守っていかなければ育たない。建築とは、それを生み出す私たち作り手の”挑戦”であると同時に、それを使い、育てていく皆さんの”挑戦”でもあるのです。
私の中で「建築をつくること」と「森をつくること」は、場所に働きかけ、新しい価値をもたらすという点において、同義の仕事です。これまで継続して行ってきた≪ひょうごグリーンネットワーク≫、≪瀬戸内オリーブ基金≫、≪桜の会・平成の通り抜け≫、≪海の森≫といった植樹活動は、いずれも一般に寄付を募り、それを原資として少しずつ木を植えて、森に育てていくプロジェクトでした。つまり市民一人一人の参加を前提としています。私にとってはこの事が何よりも重要です。
私たち建物のつくり手に出来ることには限界があります。最後に頼りになるのは、そこに生きる人々の意識、感性でしかありません。皆が日常の生活風景の問題を我がこととして捉え、その思いを少しでも行動に移すならば、それは何よりも創造的で可能性に満ちた挑戦となるでしょう。こうして既成の概念にとらわれずに、自由に枠組みを乗り越えて考えていくことが、これからの時代に必要なヴィジョンなのだと私は考えています。




ミッドタウンに来たから、実物の安藤建築も味わおうと「21_21 DESIGN SIGHT」に足伸ばす。目に入る「FIN/100」のポスターは、ちょうど彼の手がけたギャラリー3で開催中のもの。興味本位で覗く。お店のスタッフと話せば、話題はJohanna Gullichsenに。「ちょうど三日前がトークショウで、今日も午前中はいらしてたんですよ、ヨハンナさん。ローズウィンドウを一緒に作るワークショップでした。夕方5時からは、ルチア祭のイベントでまたいらっしゃいますよ。金子さん?きっとご一緒なさるかと。よろしければ、ぜひ。」窓を照らす飾りは、ヨハンナ自作のものだった。今は3時半、夕方か。それは行くしかないでしょ。





ルチア祭とは、北欧諸国で12月13日に行われるキリスト教の聖ルチア(ラテン語で光の意)を祝う行事。歌としても有名な「サンタールチーイアー」のあれだ。そして、きょうはその12月13日。頭に光のキャンドルを載せた女の子が祝祭の唄を歌いながらジンジャークッキーを手渡す。

出迎えたのは、Johanna Gullichsenを取り扱う代理店の金子さん。音楽にも精通する、わたしが尊敬するオーナー兼バイヤーだ。爆笑している。「良く来たね、田中さん!どうしたのー?そうか、仕事か。わたしね、昨日新潟行ってたんだよ。エフたちに逢いに。ちょうど話してたのPICK-UPのこと、田中さんたちのこと!五十嵐星野コンビとさぁ。びっくりしたよ。」安藤忠雄展のついでに偶然21_21 DESIGN SIGHTに寄ったこと、夜ヨハンナが居ることを聞いてまた再び戻り来たことを告げると、「私も行ったよ、安藤忠雄展!無茶苦茶良かったよね。あのスケール感ったら。本もそりゃ買うよね。きょうヨハンナと遭うのはご縁だ、さぁさぁ入って。」

すぐさま、金子さんがヨハンナを紹介くださる。彼女は非常にフレンドリーで、チャーミングだ。福島の店で自分の手掛けたものを販売していることを、とても喜んでくれた。持ち合わせた『F-pins』を福島土産として手渡すと、「これは良いわね、チャリティーと同じかしら。ありがとう、早速着けるわ。」と。笑みも豊かに話してくれた。

一杯話したい事があるけれど、感激で文字通り頭真っ白。「あなたのバッグを福島のお客さんたちは、大事に喜んで使っています」と伝えるのが精いっぱい。つたないけれど、きっと伝わったはずだ。



この二日間の東京滞在は、まさに「光」との邂逅。TUAREGジュエリーを手掛ける遊牧民族の道標は、スターナビゲーション。星と太陽。16年ぶりに再会したポスターは、アンデルセン夫妻の手によるものだった。ルチア祭ではヨハンナとはじめて出逢い、金子さんと久しぶりに話せた。そして、安藤忠雄展。「産んだら、育てる」その意識は、私たちが取り組む『フクハナ』や『TUPIバードハウスプロジェクト』と同じ根がある。緑を植え、暮らす人が手入れする街。鳥が営巣し、その巣立ちを見送る街。この二日間、渋谷、原宿、千駄ヶ谷に六本木、下北沢と数多くの街を歩いた。感銘を受けたのは、どこも暮らす人が真摯である点。ひとつひとつの品が活き活きと売り場を潤わせ、働く人の顔に瑞々しい輝きの光がある。手を尽くして、暮らしている。そのことを、その地域に暮らす人々と一緒にする場所に光宿るのだ。この街にも、それはある。日日はただ光のその中に。

saKae

STUDEBAKER METALS – Cuff





STUDEBAKER METALS
Workshop Cuff (Flat)/ Studebaker Cuff (Twisted)

made in PITTSBURGH U.S.A
material : Brass – Polished
size : M
price : 9500yen + tax

material : Silver – Polished
size : M
price : 17000yen + tax

本日ご紹介するのは、ペンシルバニアのピッツバーグにて昔ながらの手法でハンドメイドされるジュエリー、『STUDEBAKER METALS(スチュードベイカー)』からWorkshop Cuff & Studebaker Cuffを。18世紀から21世紀にまたがり使い込まれた道具たち。それらを駆使して創られるブレスレットは、叩き込まれることでしっかりと重量を持ち、かつ美しいシェイプを生み出します。磨き上げられた金色に輝くBrass(真鍮)は、使い込み空気に触れることでやがて鈍い光を放つように。店頭でもお馴染みのSIlverは、アクセサリーに馴染みが薄い方でもシンプルにつけられるものとなっています。装いを邪魔せず、静かな光を放つSTUDEBAKER METALSのジュエリーをぜひ店頭でご覧ください。

saKae

通信販売も承ります。
詳しくはお電話かmailにてご連絡ください。

PICK-UP : 024-531-6355
mail : pick82@opal.dti.ne.jp