COMOLI

あの人が着たのと、私が羽織ったのがきちんと違う。服の中で体が泳ぐ心地良さ。空気と肌の間をたゆたい、着る人のあらたな一面を引き出す服『COMOLI(コモリ)』。強い個性を備えつつも、それぞれのスタイルを自由に創るから不思議だ。店頭でも話すが、COMOLIとの微かなつながりはかれこれ15~6年前に遡る。ごく短い間、うちで一緒に働いた”K”くんがプレスになった。東京出張の度に神宮前の店”D”を訪ね、最近の動向を聞き、ディスプレイを参考にしていた。帰省の際、彼が店に立ち寄る。『全然売れないのだけれど、うちのデザイナーが作る服とっても良いんですよ。いま着てるコートがそれ。着てみてくださいよ。絶対好きだから。』そう言われ手渡された服のアームホールはやけに広い。しかし、肩落ちしながら美しいシルエットを描くコートだった。それから5~6年後、フランスの作業着をライセンスしたパンツを見に行く。ウエスト部分の始末がしっくりこず、営業担当に「ここはどうなの?」なんて偉そうに質問。対応したのは生産企画の男性。物腰穏やかに、私の話を聞いてくれた。全然売れないデザイナー=生産企画の男、そうそれが小森さんだった。COMOLIをうちでやるようになったのも、”K”くんの紹介。そして、小森さん、”K”くん、私は同い年。3人が同席したことは未だないが、きっと会ったら延々と服話が尽きないだろう。いや、二人について行くのがやっとか。

今季、個人購入したのは『1938』と名付けられたカバーオール。出自はアメリカのデニムメーカー「Lee」のもの。生地は、COMOLI好きにはお馴染み、イタリア人生地デザイナーRICHARD氏手掛ける Linen/Cotton混紡素材。カラーリング”AQUA”と名付けられた一着。糊の効いたバリバリをいかに自分好みに育てるか、その行程も愉しみだ。

しばらくすれば、また新作が店頭に並ぶ。服の冒険者たちを何処へ連れ行くか、COMOLIのこれからに目が踊る。

saKae