カテゴリー : 2016年 1月21日

Holiday

降り積もった雪もようやく溶けはじめた、週の真んなか木曜日。
PICK-UPには、ぞくぞくと春の新作が入荷しております。

閑話休題。

先日の1月12日(火)〜14(木)の3日間、PICK & BarnSともに正月休みを頂きました。大勢のお客さまで賑わった初売り、そのあとの連休です。初日は家事、そして最近始めた料理を少し。そのあとはたくさん遊ぶと決めて、いざ向かえ東京。

去年の2月、吉祥寺ヒトトでの出張店舗の際、ご馳走になった大月さんたちが作るお弁当。そのありがたさが忘れられず、あたらしく彼が独立して構えたお店mokujiへ。http://www.mokujinet.com/

大きいカーブを登りきったところに、その店はある。扉を開ける私の顔を見て、笑う大月さん。配膳されたみそ汁を啜る。玉ねぎの甘さと熟したお味噌の野性味が、歓迎してくれた。こけしが大好きだという大月さん、「土湯こけしが見たい」と。いつか福島でお逢いましょう。

通りをぶらぶらとし、閉まっている藤川アトリエを何度も見上げながら、国立を後に。夕食は、三軒茶屋トロア。ここでも、知った顔がわたしを迎えてくれる。国内外のワインはもちろんのこと、店主の笑顔に、シェフうえきさんの腕前に舌を鳴らし、きっと唸るはずです。http://www.trois-sakaba.jp/

翌日は、三菱一号館美術館へ。昼食にと目ぼしをつけた蕎麦屋は、暖簾が仕舞われていた。では、思い出深いお店「ほそ島屋」へ行こう。出張に出してもらうようになってから、ずっと気にかけてくださり、お世話頂いた服屋の大先輩。その方とご一緒したお店だ。中華そばを啜ると、背中を押すその声が思い出される。『頑張っていきましょう。きっと、売れますよ、田中さん!』

背筋を伸ばし、さぁ服屋巡りだ。

BEAMS 、UNITED ARROWS、BSHOPにArc’teryx、原宿キャシィディ、Engineered Garmentsと皆さんにもお馴染みの顔ぶれを覗く。SUPPER A MARKETや、移転したLE CHOPPE。並ぶのは個性の強いものばかりときたら、服好きには堪らない。そして、OUTBOUND & roundaboutへも。それぞれのディスプレーに、接客に、買物熱がほだされた。レンテン族がつくる布ものは、いくらでも欲しい。腹が鳴る。夕食は、吉祥寺ヒトト。目的は、写真展とスタッフのつくる食事そのものだ。

IMG_8682
吉祥寺ヒトトは、今月末1月31日ベースカフェから続く9年の歳月に、終わりを告げる。ビロード敷きの絨毯は、その昔キャバレー控室だったことの名残りだ。登りきると、マッドな鈍い光を見せる扉がある。扉を押し開ければ、そこが吉祥寺ヒトト。メニューを広げると、店長の菅さんが目の前に。お店は連日の賑わいで、お客様をお待たせすることが続くそうだ。それを、申し訳なさそうに話してくださる。ヒトトの食事を口にしたら、みんなほくほくの笑顔で帰るんだもの!普段のお仕事を、どうか思う存分になさってください。それを皆さん愉しみにいらっしゃるのだから。

FullSizeRender
噛むほどにその滋味深いあじわいが口に広がり、しっかりきちんと育った野菜をからだに頂いているのが分かる。生産者が手を尽し、ヒトトの皆さんが料理にしてくださる。ひとをかたちづくるのは食事だと良く言うが、ヒトトのはまさにそれ。野菜の持ち味を十分に生かし、切り、和え、揚げる。どの小鉢にも、ひとつひとつの宇宙が渦巻いて、噛むほどにありがたい。旨い。少し残した和え物を肴に、酒を頂くとしよう。そのとき、「おーい、こっちへ来なさい。ほら、一緒に呑むぞ。」大きなテーブルをまたいで、力強く声掛けしてくださったのは、写真家 大橋 弘さん。ヒトトで開催中の展示「みずから」をつくった、その人である。本当は最初から交ざりたかったのだもの、嬉しいお気遣いだ。

FullSizeRender (2)
「空気だって薄いと、首詰まっちまうだろ。光もそうさ、光は生命そのもの。光がすべて。暗ければ、よりひかるというもの。」酌み交わす言葉に、世の秘密がさらけ出すヒトト。大橋さんの言葉には凄みがあり、これまで生きてきた時間がさらけ出されている。自分の観てきたものだけを、そのままに語る力強さだ。ご本人が、ちょうどこの日ヒトトに納品した著作を、その手から譲り受ける。「新幹線で、帰り飲みながら読めよ。また福島で逢おうな。皆んな、呼んどけよ。」手渡された一冊は、私が生まれる前の軍艦島の姿だ。ヒトトオーナーの奥津爾さんが、「終わりの始まり。」という展示は、1月31日まで。http://organic-base.com/topic/mizukara/

FullSizeRender (1)
今回の旅は、建物と人に逢いにゆく2日間であった。どこに行き、誰と話し、誰からその想いとものを譲り受けるか。からだはクタクタだが、身に余る気力の充実をもらった3連休。

人が働いている姿を観るのが、とても好きである。光は生命の輝きそのもの。
自分もそのようでありますように。

saKae